近年、脱炭素社会の実現に向けて多くの企業や自治体が再エネ導入や省エネ化を進めています。
しかし、もう一つ見逃せない分野があります。それが――飛灰といった「副産物」や「コンクリート」です。
1. なぜコンクリートが脱炭素のカギになるのか?
コンクリートの原料となるセメントは、製造時に大量の二酸化炭素(CO₂)を排出します。
このため、世界全体の温室効果ガス排出量のうち、セメント産業が占める割合は約6~7%(※1)にのぼるとも言われています。
一方で、私たちの身の回りにある道路、橋梁、建物、ダムなど、あらゆるインフラにコンクリートは欠かせません。
つまり、「コンクリートをなくす」のではなく、「コンクリートを脱炭素化する」ことが求められているのです。
2. 資源循環と脱炭素―産業副産物や廃棄物にCO₂を固定し、資源化する― 神鋼環境ソリューションの高速炭酸化技術「Carbonel®」
そんな中、注目を集めているのが、株式会社神鋼環境ソリューションが開発した 高速炭酸化技術「Carbonel®(カーボネル)」 です。
この技術は、木質バイオマス発電所などから発生する廃棄物(飛灰)を副産物として有効利用しながら、CO₂の固定を早く、かつ、効率化させます。
3. 「Carbonel®」とは?
「Carbonel®」は、カルシウムを多く含む粉体(たとえば焼却飛灰やスラグなど)に、CO₂を含む排ガスを吹き込みながら撹拌することで、化学反応によって炭酸カルシウム(CaCO₃)を生成し、CO₂を固定化する技術です。

類似製品である、Caなどの成分を溶媒中に抽出してから炭酸化させたり、廃水を対象とした湿式処理の技術では、廃水処理や炭酸化物の乾燥工程が必要となったり、抽出後の新たな廃棄物が発生するなど、設備が大掛かりになります。
Carbonelでは、乾式での処理のため、シンプルな設備となるとともに、副産物を全量資源化できる可能性があるという特徴があります。
また、自然界では数か月かけて行う炭酸化反応を、Carbonel®はわずか数分〜数十分で完了させます。


神鋼環境ソリューションの特許技術であるミキサーにより、CO₂を効率的に反応させることが可能となりました。
4.環境にも、社会にも優しい“二重の価値”
Carbonel®は単なる脱炭素技術ではありません。「CO₂削減」+「廃棄物削減」という、環境に二重のメリットをもたらします。

さらに、処理後の素材は建設用骨材や舗装材として有効利用することができ、すでにU字溝などのコンクリート製品への適用も始まっています。


C2Xでは、建材領域の脱炭素化に資するソリューションをもつ企業と共に、地方自治体の公共施設への脱炭素、及び地域脱炭素に貢献できるよう取り組みを進めてまいります。
▶ 詳細はこちら
株式会社神鋼環境ソリューション:Carbonel®(カーボネル)製品ページ
https://www.kobelco-eco.co.jp/product/process/carbonel.html
※1:Liu et al., Sustainability, 2023

